2022年5月9日:赤の広場での勝利パレード

ロシアの毎年5月9日は、第2次世界大戦でナチスドイツに勝利した戦勝記念日。
国家にとっては「国威発揚・国民結束を訴える日」となり、国民にとっては「戦争を勝利に導いた英雄を称え感謝し、反戦を誓う『平和』の日」となっているそうです。
目下、何としてもプーチン政権を失脚させたいと目論む勢力から戦勝記念日に合わせ、(プーチン大統領から)「以下の発言があるのではないか?」と盛んに喧伝されていたそうです。
- 対ウクライナ宣戦布告
- 対ウクライナ勝利宣言
- 核兵器使用の可能性示唆
- 今後の戦闘方針・説明
このような、まるで戦争継続を願う西側の目論見を見透かしたように、プーチン大統領の演説は皮肉にも「祖国ロシアへの愛と感謝」に満ち溢れたものとなっていました。
プーチン大統領演説・全文(日本語訳)

ロシア側の主張を不自然なほど遮断する(日本を含めた)西側メディア・言論空間にある種の不信感を持つ方も多いはず。
ですので、直接ロシア側の主張を拾いに行きました。v( ̄Д ̄)v イエイ
~和平=両論併記~
ロ・ウ紛争の内情を正確に見抜くためにも、是非ともロシア(プーチン大統領)の主張にも耳を傾けてみてください。

下の引用は、公式サイト「ロシア大統領」に掲載されたプーチン大統領の演説を自動翻訳したものです。
赤の広場での勝利パレード
ロシア大統領–ロシア連邦軍の最高司令官ウラジーミルプチンは、1941年から1945年の大祖国戦争での勝利77周年を記念する軍事パレードに出席しました。
2022年5月9日11:00赤の広場、モスクワ
軍事パレードでのロシア大統領による演説
親愛なるベテラン、
同志の兵士と船員、軍曹と曹長、士官候補生と准尉、
同志の将校、将軍、提督、
大勝利の日、おめでとうございます!
その運命が危機に瀕していたときの私たちの祖国の防衛は常に神聖でした。ミーニンとポジャルスキーの民兵が祖国のために立ち上がったのは本当の愛国心の感覚でした。兵士たちはボロジノフィールドで攻撃を続け、モスクワとレニングラード、キーウとミンスク、スターリングラードとクルスク、セヴァストポリとハリコフの外で敵と戦いました。
今日、過去のように、あなたはドンバスの私たちの人々のために、私たちの祖国の安全のために、ロシアのために戦っています。
1945年5月9日は、統一されたソビエトの人々の勝利、その結束と精神的な力、最前線とホームフロントでの比類のない偉業として、世界の歴史に永遠に祀られてきました。
勝利の日は私たち全員にとって親密なものです。大祖国戦争で焼けなかった家族はロシアにはいない。その記憶は衰えることはありません。この日、英雄の子供、孫、曽孫は、不滅の連隊の果てしない流れの中で行進します。彼らは家族の写真、永遠に若く残った戦死した兵士、そしてすでに亡くなった退役軍人の写真を持っています。
私たちは勝利者の征服されていない勇気ある世代に誇りを持っており、彼らの後継者であることを誇りに思っています。ナチズムを打ち負かし、警戒し、他の世界の恐怖を阻止するためにあらゆることを私たちに任せた人々の記憶を保存することが私たちの義務です戦争。
したがって、国際関係におけるあらゆる論争にもかかわらず、ロシアは常に、国際社会全体にとって決定的に必要とされる平等で不可分な安全保障システムの確立を提唱してきました。
昨年12月、私たちは安全保障に関する条約に署名することを提案しました。ロシアは、意味のある妥協的な解決策を模索するために正直な対話を行い、互いの利益を考慮に入れるように西側に促した。すべて無駄に。NATO諸国は私たちに注意を向けたくありませんでした。つまり、彼らはまったく異なる計画を持っていました。そして、私たちはそれを見ました。
クリミアを含む私たちの歴史的な土地への侵略であるドンバスでの別の懲罰的な作戦が公然と行われていました。キーウは核兵器を手に入れることができると宣言した。NATOのブロックは、私たちに隣接する領土で活発な軍事力の増強を開始しました。
このように、私たちに対する絶対に容認できない脅威は、私たちの国境で着実に生み出されていました。米国とその手先に後押しされたネオナチやバンデリウツィとの衝突は避けられなかったというあらゆる兆候がありました。
繰り返しになりますが、軍事インフラが構築され、何百人もの外国人顧問が仕事を始め、NATO諸国から最先端の兵器が定期的に供給されているのを見ました。脅威は毎日増大しました。
ロシアは侵略で先制攻撃を開始しました。それは強制的でタイムリーで唯一の正しい決定でした。主権のある、強力で独立した国による決定。
米国は、特にソビエト連邦の崩壊後、彼らの例外主義を主張し始めたので、全世界だけでなく、何も見えないふりをし、それを素直に我慢しなければならない彼らの衛星も非難しました。
しかし、私たちは別の国です。ロシアは別の性格を持っています。私たちは祖国への愛情、信仰と伝統的価値観、先祖の習慣とすべての人々と文化への敬意を決してあきらめません。
一方、西側はこれらの数千年前の価値観を打ち消すように設定されているようです。そのような道徳的低下は、第二次世界大戦の歴史の皮肉な改ざんの根底にあり、ルッソフォビアをエスカレートさせ、裏切り者を賞賛し、犠牲者の記憶をあざけり、苦しみを通して勝利を勝ち取った人々の勇気を打ち消します。
私たちは、モスクワのパレードに来たいと思っていた米国の退役軍人が実際にそうすることを禁じられていたことを知っています。しかし、私は彼らに知ってもらいたいのです。私たちはあなたの行いと私たちの共通の勝利へのあなたの貢献を誇りに思っています。
私たちは、アメリカ人、イギリス人、フランス人、レジスタンスの戦闘機、中国の勇敢な兵士、パルチザンなど、連合軍のすべての兵士を称えます。ナチズムと軍国主義を打ち負かしたすべての兵士です。
同志、
今日、ドンバス民兵はロシア軍とともに彼らの土地で戦っています。そこでは、スヴィヤトスラフ王子とウラジミールモノマフの家臣が、ルミャンツェフとポテムキンの指揮下ではんだを打ち、スヴォーロフとブルシロフが敵を粉砕しました。パブリチェンコは最後まで立った。
私は私たちの軍隊とドンバス民兵に取り組んでいます。あなたは私たちの祖国、その未来のために戦っています。第二次世界大戦の教訓を誰も忘れないように、そして世界には拷問者、死の部隊、ナチスのための場所がありません。
今日、私たちは大祖国戦争で命を落としたすべての人々の神聖な記憶、息子、娘、父、母、祖父、夫、妻、兄弟、姉妹、親戚、友人の記憶に頭を下げます。
2014年5月に労働組合の家で生きたまま燃やされたオデッサの殉教者たちの記憶、ネオナチによって残虐で野蛮な砲撃で殺されたドンバスの老人、女性、子供たちの記憶に頭を下げます。 。私たちは、ロシアのために、正義の戦いで勇敢な死を遂げた戦闘仲間に頭を下げます。
私は黙祷を宣言します。
(1分間の黙祷。)
各将校と兵士の喪失は私たち全員にとって苦痛であり、家族や友人にとっては取り返しのつかない喪失です。政府、地方自治体、企業、公的機関は、そのような家族を世話に包み、彼らを助けるためにあらゆることをします。殺害された同志の子供たちには特別な支援が与えられます。この趣旨の大統領大統領令は本日署名されました。
負傷した兵士や将校の迅速な回復を願っています。また、医師、救急救命士、看護師、軍病院のスタッフの無私の仕事に感謝します。私たちの心からの感謝は、多くの場合、最前線で砲撃されている自分自身のことを考えずに、それぞれの命を救ってくれたことに感謝します。
同志、
ドンバスから、戦闘地域からまっすぐに到着した人々を含む、私たちの巨大な祖国の多くの地域からの兵士と将校は、今ここ、赤の広場に肩を並べて立っています。
私たちは、ロシアの敵が私たちに対して国際テロ集団をどのように利用しようとしたか、私たちを内部から弱体化させ、私たちを分裂させるために民族間および宗教間の争いを植え付けようとした方法を覚えています。彼らは完全に失敗しました。
今日、私たちのさまざまな民族の戦士たちは、兄弟のように弾丸や榴散弾からお互いを守りながら、一緒に戦っています。
ここにロシアの力があり、私たちの統一された多民族国家の無敵の力があります。
あなたは今日、あなたの父親、祖父、曽祖父が戦ったものを擁護しています。彼らの祖国の幸福と安全は彼らの人生の最優先事項でした。私たちの祖国への忠誠心は、私たち、彼らの後継者にとっても、ロシアの独立の主要な価値であり、信頼できる基盤です。
大祖国戦争中にナチズムを粉砕した人々は、私たちにすべての年齢の英雄主義の例を示しました。これは勝利者の世代であり、私たちは常に彼らを尊敬します。
私たちの英雄的な軍隊に栄光を!
ロシアのために!勝利のために!
やったー!
出典:ロシア大統領・赤の広場での勝利パレード「軍事パレードでのロシア大統領による演説」(日本語訳)
注1:翻訳の「やったー!」は「万歳!」の方が妥当
注2:「オデッサの殉教者たちの記憶」とは?。『オデッサの虐殺』と呼ばれる、ロシア人約50人を生きたまま焼死させた事件のこと。犯人はもちろんネオナチに変装した「私兵集団・テロリスト」
注3:↑文中の太文字は当サイトによるものです

「ロシア絶対悪」とかの感情論は抜きに目を通してみてね。
新たな発見があるかもしれないよ!
日本の報道では・・

我が国の報道・・はぁ~・・(溜息)
恣意的な訳が多く、また編集も中立性を欠いた内容がほとんどでしたが・・
同時通訳でしかも聞き取りやすく、また比較的発言内容に忠実な編集が為されていた日テレの動画を貼り付けておきます。(↑の全文訳と比較してみてください)

なんでこのアナウンサー余計な感想文みたいな発言を散りばめてくるのかな~?
特に動画の最後の言葉は誘導になっているレベル。

この手の動画はすぐに削除される可能性があるから、早めの視聴よろしくね。
在日ロシア人・ウクライナ人:プーチン大統領の演説は「ウソだらけ」
こちらも日テレ動画です。
注:この手の動画は削除される可能性あり。早めのご視聴を。
今回のプーチン大統領による演説を受け、在日のロシア人・ウクライナ人へインタビューしたとする内容になっています。
当サイトからの感想は控えますが、果たして・・
- 全てのロシア人・ウクライナ人の総意を得た意見・感想なのか?
- それとも恣意的に選択された偏見(プロパガンダ)なのか?
みなさんの慧眼に委ねておこうと思います。
グ・アンドリー氏:「戦争を止めるつもりは全くない」
そしてこちらはMBS NEWS動画
一部日本人の間では「お前こそ日本国内に扇動を持ちこむス〇イ」と噂が飛び交っている「グ・アンドリー」さんがプーチン大統領演説を解説しています。
注:この手の動画は削除される可能性あり。早めのご視聴を。
動画4分12秒~、「グ・アンドリー」さんの解説根拠はどこからやってくるのでしょう?
彼はこの様に断言しています。(要約)
「(プーチン大統領は)対ウ軍事侵攻を止めるつもりは全くない。停戦の意図すらない。」
「ロシアによる軍事侵攻は、ウを征服するまで継続させるつもりだ」

え~~~っと。
取りあえず”そう読み解く”に至った根拠発言だけでも解説願えないかな~。
(うさんくさ~)

MBS側に発言を大幅に編集されたか・・「はじめに結論ありき」だったんじゃない?
(工作お疲れ様です♥)
当サイト的:プーチン大統領演説「重要発言」抜き取り
中立を担保する為に、プーチン大統領演説に対する感想の類は控えておきます。(過去記事にては紛争原因について言及アリ)
単に重要だと思えた『発言』を抜き取りました。
- 昨年12月、私たちは安全保障に関する条約に署名することを提案しました。
- NATO諸国は私たちに注意を向けたくありませんでした。つまり、彼らはまったく異なる計画を持っていました。そして、私たちはそれを見ました。
- キーウは核兵器を手に入れることができると宣言した。
- 私たちに対する絶対に容認できない脅威は、私たちの国境で着実に生み出されていました。
- 軍事インフラが構築され、何百人もの外国人顧問が仕事を始め、NATO諸国から最先端の兵器が定期的に供給されているのを見ました。
- ロシアは別の性格を持っています。私たちは祖国への愛情、信仰と伝統的価値観、先祖の習慣とすべての人々と文化への敬意を決してあきらめません。
- ロシアの敵が私たちに対して国際テロ集団をどのように利用しようとしたか、私たちを内部から弱体化させ、私たちを分裂させるために民族間および宗教間の争いを植え付けようとした方法を覚えています。
(出典:↑「軍事パレードでのロシア大統領による演説」)
少なくとも私たち日本人は、プーチン大統領が言及したこの一言だけは疎かにしてはならないはずです。

キーウは核兵器を手に入れることができると宣言した。
この発言を補足すれば・・
- ウクライナのNATO加盟は、自動的にアメリカ軍進出となる
- 結果、アメリカの『核』が公然とウクライナに配備される
- それをゼレンスキー政権が目指し、公然と宣言した
「だから断じてロシアは↑を認める事は出来なかった」(先制攻撃の大義名分)と、要約できるのではないでしょうか?
歴史を思い返しましょう
プーチン大統領の演説を受け、「軍事侵攻した側の理屈など聞くに値しない」と一蹴してしまうのは簡単です。
しかし、ロシアに対する善悪論は抜きに、私たちはかつてアメリカにも存在した『キューバ危機』を思い返した方がよりフェアになれるでしょうし、戦争主導者がしきりに連呼した『大量化学兵器』や『テロとの戦い』などのどうとでも解釈される詐欺的掛け声に押し切られ、無実の国家への軍事介入(合計数百万人規模の大虐殺)を許したり、その片棒を担がされた苦い経験の方も忘れてはならないはずです。
『キューバ危機』については、アメリカ軍の海上封鎖の本気度を悟ったソ連の「英断」により、実際にはキューバに核が配備されることはありませんでした。
注:1962年。すでにアメリカによってトルコに配備されていた「対ソ連ジュピターミサイル」撤去と交換条件に、ソ連はキューバへの核ミサイル提供を中止します。

しかし、今回のウクライナは違っています。
それはNATOの性質(条文)に如実に謳われており、加盟国内には公然と『対ロシア軍事基地』『対ロシア核』が配備される危険性が秘められているのです。


ここで重要なのは、実際に「(ウクライナなどに)大規模兵器類や核が配備されるのか?」ではなく、「ロシア側がそのように脅威と感じたか」が重要なのです。

だって、キューバ危機の本質がそこにあったはずだからです。
- キューバはアメリカにとって、海を隔てた向こう側の脅威でした
- ウクライナはロシアにとって、長い国境線を抱える地続きの隣国です
冷静に考えれば『キューバ』などとは比較にならない危機意識が、ロシア側に芽生えていたとしても(キューバ危機に怯えたアメリカを思い出せば)無理からぬことなのかもしれませんね。

第二のウクライナを回避したいと願うみなさんならば・・今こそ思い出そうね!
サダムフセイン大統領もムアンマル・アル=カッザーフィー大佐も、この世にはいないという事実をね。

アメリカの軍事介入や革命扇動によって自由と解放がもたらされたはずの地域は、今尚地獄のような混乱が続いているんだってね。
フセインさんもカダフィーさんも、原油の富を国民の為にたくさん使っていたんだよ。
そんな各国の富を横取りしたのは・・誰だったでしょう?
- 朝鮮戦争も
- ベトナム戦争も
- 湾岸・イラク戦争も
- 旧ユーゴ内戦も
- テロとの戦いも
- アフガン内戦も
- カラー革命も
- アラブの春も
- シリア内戦も
ぜ~んぶアメリカ(国際金融)が軍事的にも内部工作的にも介入しており、戦況を伝える報道(プロパガンダ)や政治家からの発言は、往々にして西側の方が酷かったことが思い返されます。
ま・さ・か、
現下伝えられている「ロシア悪玉論・ウクライナ善玉論」に、戦争主導者側のプロパガンダが無いとは言い切れないはずです。
- 「自分たちの知っている情報は正確でいつも正しい」
- 「ロシア国民は間違った情報を一方的に伝えられている」
当サイトとしては、このような質の悪い幻想から多くのみなさんが抜け出していかれることを願ってやみません。

まとめ
5月9日:ロシア戦勝記念日にプーチン大統領が演説で語った、「ロシアは別の性格を持っています。私たちは祖国への愛情、信仰と伝統的価値観、先祖の習慣とすべての人々と文化への敬意を決してあきらめません。」なる言葉は・・先の大戦以降、私たち日本人の多くが忘れ去ってしまった「国家・国民主義」(ナショナリズム)の”それ”として聞こえてくるのです。

対する新自由主義に代表されるグローバリズム的価値観はどうでしょう?
競争競争とほざきながら一部の特権階級が絶望的なまでの富の簒奪を果たし、世界中で戦争ビジネスを仕掛け、民衆に対しては「ポリコレ」や「多文化共生」などのお題目を持ち込み、国家や民族性そのものを否定させる火種を伝播させていきます。
プーチン大統領は演説中に「西側はこれらの数千年前の価値観を打ち消すように設定されているようです。」と、グローバリズムの正体について喝破しています。
『ナショナリズム対グローバリズム』
もしも、プーチン大統領の演説の各所に言及される「ネオナチズム」の内容に虚偽が無いのなら・・
ロシアは対ウクライナではなく「グローバリズムに変装した共産主義」と戦っているのかもしれません。
それでは・・
不正選挙で組織された(と思われる)バイデン政権が、『キューバ危機』(第三次世界大戦)を回避させた当時のソ連指導者・ニキータ・フルシチョフ氏の”英断”に学ばれるようにと・・切に、切に、願っておきましょう。
おしまい。