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阿蘇の神話:阿蘇は一つの”国家”でした

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画像説明:【阿蘇の穢れは日本の穢れ】2023/8内牧より根子岳遠望

阿蘇の神々と国造神話

阿蘇山の神(主神)は「健磐龍命」(たけいわたつのみこと)。

「健磐龍命」の龍は”立つ”とも表記される事から、文字通りに比喩すれば・・

「マッチョな神様が岩を踏みつける様に雄々しく君臨している」ってな感じになりますね。

神格としては、山の神(火山神)であるのは無論、畜産・植林等に関する農耕神の側面もあわせ持ち、また国生みの神としても有名で、九州地方には「健磐龍命」にまつわる数々の神話が伝えられています。

阿蘇は、一つの国家でした

阿蘇山の特徴といえば何と言っても周囲をぐるりと囲むカルデラ(外輪山)ですが、神話の昔には巨大なカルデラ湖があったらしく、健磐龍命は何とか湖水を排して国造り(農耕)を広めようと外輪山の蹴破りにチャレンジします。

一度目は残念ながら失敗。

二度目は山と山の・・・・隙間を見つけ・・・・・・、見事蹴破りに成功。

こうして湖水が西へ排水され、出来た平野が熊本平野(現熊本市一帯)となりました。

この国生み神話は現在でも阿蘇地方の地名などに引き継がれておるそうで、例えば、健磐龍命が山を蹴破る際に隙間を見つけた場所では「隙間がある」⇒「きま」が「すがる」と短縮され、湖水が排水される起点に出来上がった滝がすがるの滝と呼ばれる様になっていたり、山を蹴破った際に力尽き「立てぬ」と言った場所は「たてぬ」がなまって立野(たての)の地名となっていたり、その他にも健磐龍命の子供が生まれた地は産山(うぶやま)だったりと、阿蘇国造りにまつわる縁(よすが)の多くを現代に引き継いでくれています。

乙姫神社鳥居:ご祭神については諸説あり健磐龍命の妃『阿蘇都比媛』とも。社伝によれば地域一帯に疱瘡が流行した際、「美しい女神が現れ穢れを払い人々を治癒した」、あるいは「姫神自身が疱瘡を患い治癒した場所」と伝えられています。

さてさて、健磐龍命は大変なご苦労をなされながらも無事阿蘇の国造りに成功し、最後の仕上げとして首都(宮殿)の選定にかかりました。

健磐龍命は自ら大空に向かって矢を放ち、落ちてきた場所を首都(宮殿)と定めます。

現在、この時の矢が落ちたとされる場所には矢村社(現阿蘇市一の宮町宮地)が御鎮座しており、当然、同地域一帯の地名宮地(宮がある土地)もここに由来しています。

阿蘇の国造りに英雄的な活躍を見せた健磐龍命(一説では日本書紀に記述の見える阿蘇都彦と同一視)。

現在、肥後国一宮・阿蘇神社のご祭神としてお祀りされており、阿蘇地域の総鎮守様として、また阿蘇山の山神様としても人々の篤い信仰を集めています。

外部リンク⇒阿蘇神社公式HP

悪いネズミ
悪いネズミ

太古の阿蘇は一つの国家。

『阿蘇=健磐龍命』『阿蘇山=健磐龍命』ってくらい切っても切れない関係だね。

嫡男:スラ
嫡男:スラ

(((uдu*)ゥンゥンうん。

阿蘇ばんざ~い。

健磐龍命ばんざ~い。

また、健磐龍命(一族)の貢献は子神様世代の神話も伝えられているようで、阿蘇市一の宮町手野に御鎮座する『国造神社』には、その名の通り阿蘇の経営に携わった

  • 速瓶玉命
  • 雨宮媛命
  • 高橋神
  • 火宮神

四神(健磐龍命の子・孫)が、山里の小高い丘陵地帯にひっそりとお祀りされています。

外部リンク⇒熊本県公式観光サイト・国造神社

『ナマズ』は、住環境を破壊され行き場を失った動植物の象徴。国造神一族は鎮魂(祭祀)も忘れてはいません。
タヌキ
タヌキ

国造神社社伝によると、健磐龍命が湖水を排す際に「大なまず」が妨害したそうで、ナマズ退治の伝説も伝えられているんだよ。

妻

国生みって・・本当に本当に大変な作業だったんでしょうね~

嫡男:スラ
嫡男:スラ

現代人も、お馬鹿なグローバルとか、多文化共生とか言ってないで、少しは郷土史を振り返り、先人方がなさって下さった国生みや建国のご苦労を見直すべきだよね!

【開運】:熊本が”火の国”といわれる理由について

「火の国」の由来については以下の四つの説があるそうで・・

  • ①不知火説:夏季の有明海の蜃気楼
  • ②阿蘇山説:巨大な火山のイメージ
  • ③白髪山の怪火説:地元豪族平定にまつわる言い伝え(夜空に火が降ったに由来『肥前風土記逸文』)
  • ④火の君説

現在、最も有力視されているのが④の「火の君」説なんだそうです。

外輪山より阿蘇山の遠望

古代九州における巨大国家の代表格が「筑紫の国」(現:久留米小郡一帯)。

その「筑紫の国」が反乱を起こしたのがいわゆる(527年)『磐井いわいの乱』です。

当時、熊本一帯を支配していた火の君一族は、朝廷側として参戦。抜群の働きを披露し筑紫の国を凌駕する様になります。

朝廷は乱平定に活躍した火の君一族に肥後肥前(現:熊本・佐賀・長崎一帯)の知行(統治)を許します。

この結果、火の君一族の勢力は遠く玄海灘まで達し、「火の君」が治める国は「火の国」と呼ばれるようになり、「肥の国」(のちの肥前肥後)の語源となっていったという事です。

  • 物見櫓古墳
  • 姫ノ城古墳
  • 中ノ城古墳
  • 端ノ城古墳

現在、熊本県八代郡竜北町にわずかに残る野津古墳群が火の君一族の古墳と比定されています。

阿蘇山の神様はちょっぴり怖ろしい

阿蘇の国造りに成功した「健磐龍命」の人気(信仰)は九州一円に広がり、各地に社殿が造営されています。

また各地には「健磐龍命」にまつわる様々な神話(伝承)も伝えられておりますが、高千穂地方に伝わる神楽「鬼の恩返し」(仮称)は、「健磐龍命」の雄々しさをこんにちに伝える典型例となっています。

高千穂峡:人によっては畏怖を感じるほどの自然パワーが溢れています。

「鬼の恩返し」(あらまし)

~悪さをする鬼を健磐龍命が退治したところから物語が始まります~

里を荒らしまわっていた鬼が健磐龍命によって調伏され、命からがら逃げ込んだ先は、阿蘇から遠く離れた高千穂の地。

瀕死の重傷を負った鬼は山を下り、やっとこさ明りの灯る民家を発見します。

ドンドンドン・・

鬼「傷の手当てを・・看病を頼む」(コ・・コテ)

ちょうど旦那が長期出稼ぎ(山仕事?)の最中で、家を一人で切り盛りしていた夫人は、戸を叩く鬼の姿に驚き生きた心地さえしませんでしたが、必死に看病を依頼する鬼に根負けし、家へ引き入れてやりました。

それからというもの、鬼は夫人による毎日の看病に感謝するどころか「あれも欲しい」「これも食べさせてくれ」「ここを揉んでくれ」と、様々な要求を重ねるようになります。

夫人はあきれるばかり・・

日々は過ぎ去り、ひと月も経った頃、鬼の恐ろしさよりも生活の蓄えが減り続ける事に我慢の限界を感じた夫人は、勇気を振り絞って鬼に切り出したのです。

「あの~、鬼さん。いつお帰りで?」

「今ではすっかり看病が必要無いほどに元気を取り戻しているようですが・・」

鬼は答えます。

「気がすむまで居させろ。文句は受け付けん!!」

それからさらに一月ばかりが経過し、いよいよその日の食にもありつけぬ程になった頃・・

鬼は何かを悟ったように夫人に語り始めました。

「長い間世話になったな」

「俺は傷が癒えれば健磐龍命に仕返ししようと思っていた」

「しかし、健磐龍命の悪を薙ぎ払う厳しさに触れ、こうして人のやさしさにも触れ、自分がどれだけわがままな存在だったか思い知った」

「さすれば俺もしっかりと改心し、今後は人の役に立つ存在にならねばと思う」

「奥さん、俺が去ったあと必ず”福”が来ることを約束しよう」

「それが看病への返礼である」

「では、さらばだ」

鬼は、重ね重ねの礼を述べると何処ともなく消えて行きました。

それから程なくして・・

夫人が、いつもの野良仕事から帰って家に入ってみると・・

~あらビックリ~

何と、いつの間にやら家の中には金銀財宝がザックザク。

ちょうど、出稼ぎから帰ってきた旦那もこれを見て腰を抜かす始末。

夫人から事の詳細を聞くにつけても・・本当に摩訶不思議な出来事。

二人は、約束通り福を呼び込んでくれた鬼に感謝感謝。

この話は、当然の様に噂となって地域一帯に広がり、話の内容を後世に伝える為の「神楽」が各所で出来上がっていきました。

そして、そもそもの話の発端となった悪を薙ぎ払う神・阿蘇【健磐龍命】への尊崇がより一層深まり、九州各地に広まっていったという事です。

・・むかしむかしの物語でした。

めでたしめでたし。

注1:この神話には様々な亜種が存在しています。例えば、鬼は元々健磐龍命の従者で、命の命令に背いた鬼が首をはねられ五体を裂かれたが何度も復活するので、鬼の部位が各地(伝承地)に埋葬(封印)される様になっていたり、調伏された鬼の魂が天にのぼり「霜や雹を降らせるぞ」と呪ったので、各村々の選別された少女が従者とともに何十日も聖地にこもり『鬼を看病しなだめる』『霜よけ・雹よけ祈祷・神事』を(明治期まで)繰り返していたとか、神様は祖母山の神であったり、ミケイリノの命(三毛入野命)であったりと・・中九州(阿蘇・高森・祖母・高千穂)を中心に類似の伝承・神楽が伝えられています。

注2:鬼を「農耕の妨害者」「不作の原因となる天災」と捉えると、鬼(天災)を軽々と調伏する農耕神としての健磐龍命が際立ってきます。

注3:鬼の名は『鬼八』(きはち)とも。

注4:節分の「鬼は外・福は内」にも通じたお話ですね。

参考文献:【鬼と悪魔の神話学】(青土社:吉田敦彦 著)

魅力満点:古代国家『阿蘇』を体感しよう!

歴史好きの九州人なら誰しもが知っている(?)、阿蘇国造神話と健磐龍命(阿蘇山)信仰。

観光目的としては無論の事、「国生みの苦労」や「国家の成り立ち」を学ぶ歴史探訪としての阿蘇も魅力満点です。

バイクツーリングに温泉三昧、卒業旅行に夫婦の記念旅行先としてもオススメ♥

阿蘇観光未経験の方は、是非一度お立ち寄りなさってみてはいかがでしょうか。

悪いネズミ
悪いネズミ

中部、近畿までにお住まいの方は新幹線利用。

関東以北にお住まいの方は熊本空港利用が便利だよ。

妻

近畿や四国にお住まいの方で、旅行日程に余裕が持てる場合は大分・別府行きのフェリー利用もご参考に。

阿蘇へは陸路で約2時間程度です。

おまけ:阿蘇の穢れは日本の穢れ・「ソーラーパネルに神様もご立腹?」

『戦争・ウイルス・ワクチン・環境・LGBT・・』⇇これらすべての”詐欺”の発明者は同じです。
嫡男:スラ
嫡男:スラ

え~っと・・

猛々しくって悪を絶対に見逃さない【健磐龍命】のお膝元で、環境破壊や侵略道具となっているソーラーパネル敷き詰めちゃうって・・かなり危険じゃない?

や、やば・・(;゚д゚)ゴクリ…

FITの弊害:阿蘇のメガソーラー・「噂は本当だった!」
豪雨・土砂災害が多い地形の日本列島に、そもそも太陽光発電のソーラーパネルはふさわしくないのです。一部SNSなどで噂になっていた阿蘇のメガソーラー問題。現地は伝え聞く以上に『深刻』な状況でした。
タヌキ
タヌキ

熊本(阿蘇・高森地域)・大分(竹田地域)・宮崎(高千穂地域)のみなさん。

真面目に要警戒だよ!

土砂災害・洪水被害に十分留意して、日頃から環境破壊に目を光らせておいてね。

私たち日本人は、常日頃から神様に感謝感謝♥

下らない儲け話や環境詐欺に傾倒してはなりません・・よね!

=日本は祭祀の国=

どうぞお忘れなく。

おしまい。